今週からヘルパンギーナが増えてきています。
ヘルパンギーナは、毎年6〜7月を中心に流行するウイルス性疾患で、「突然の発熱」「ノドの奥の口内炎」を来すウイルス性咽頭炎で、この症状により診断しています。2〜4日で回復しますが、時にノドの痛みのため食べたり飲んだり出来なくなることがありますし、髄膜炎を起こすこともあります。前にかかったことがある方もいらっしゃると思いますが、何回か(毎年)かかるお子さんもいらっしゃいます。それは、原因ウイルスが1つではないからです。2012年の大阪府内の調査(※)では、CA(コクサッキーウイルスA)5種を含めて、実に10種類ものウイルスが見つかりました。それで1年に2回以上かかることもあるわけですね。
ウイルスは症状が回復した後も長期に便中に排泄されますし、中には軽症あるいは無症状のこともあることから、症状のあるお子さんのみを隔離しても、流行を止める効果は期待できないと言われています。お子さん本人の状態が回復すれば(解熱して食事がとれている)、登校登園可と考えられています。
ちなみに、上記の報告(※)では手足口病も4種類のウイルスが見つかっていますので、何回かかかるのですね。
※大阪府立公衛研所報 第51号 大阪府におけるエンテロウイルスの検出状況と分子疫学的解析
院内の細菌汚染状況を調査しました。
29か所を調べて、黄色ブドウ球菌が2か所から検出されました。
・処置室作業台においている医療廃棄物のフタの裏
・殺菌灯使用前のスリッパの裏
イス、ソファ、ドアノブ、殺菌灯使用後のスリッパ、人形、本などからは検出されませんでした。またMRSA(耐性ブドウ球菌)は検出されませんでした。
病院勤務時代は、MRSAをよく見ましたが、こちらへ来てからは、お子さんの鼻腔培養でもほとんど見ることはありません。ありがたいことです。
環境再生保全機構から、すこやかライフ(No.43)が出ましたので、ご紹介します。
http://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/02/archives_24413.html
以下のような内容です。PDFダウンロードできます(11.9MB)。
◇ぜん息児へのエール
プロ野球選手/広島東洋カープ 投手
野村祐輔選手
◇特集
『子どもの成長とアレルギー
「アレルギーマーチ」から学ぶアレルギー疾患の予防と管理』
同愛記念病院 小児科 部長 山口 公一先生
◇医療トピックス
『子どものアトピー性皮膚炎のための
体の洗い方、外用薬・保湿剤の塗り方実践法』
東京都立小児総合医療センター 看護部/小児アレルギーエデュケーター 益子 育代先生
◎他にもぜん息&アレルギーのパンフレットを手に入れることができます。
これからワクチン接種をする予定だった方には大変ショッキングな報道がなされました。今のところ、接種効果よりも副反応が注目され報道されています。
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)は、現在積極的な接種勧奨は控える措置がとられ、子宮頸がん征圧から一歩後退している状況です。
6月13日にWHO(世界保健機関)が、発表したワクチンの安全性についての声明の日本語訳が公開されましたので、ご紹介します。
http://smap-leap.jp/upload/00000040.pdf
世界各国で1億7000万回(日本では800万回)が接種されてきましたが、ワクチンの安全性には問題がないとの結論です。今回、報告された複合性局所疼痛症候群(CRPS)とワクチンとの因果関係は明らかでないということですね。